おもてなし迷惑とは

近年の訪日外国人の急増に伴い、外国人がさまざまな場面で日本流のホスピタリティ「おもてなし」を体験する機会が増えています。日本人が普段当たり前としている例えば飲食店提供される温かいおしぼりや、お店できれいに包装されたお土産といったサービスは、外国人にとっては非常に珍しく、満足度が高い経験になるようです。

では、果たして日本のおもてなしは、万国共通で賞賛される行為なのでしょうか?

おもてなし迷惑とは?

本WEBメディアのテーマとなっている、「おもてなし迷惑」は、「よかれ」と思って行った「おもてなし」の行為が、悲しいかな「迷惑」と解釈されてしまうアイロニー(皮肉)を、“ありがた迷惑”をもじった言葉で表した造語です。日本人同士ではあまり発生しにくい現象ですが、異なる価値観を持ち、日本流のおもてなしに慣れていない外国人との間には起こりやすく、時にはそれが誤解や不満となってしまうケースもあります。

おもてなし迷惑をさらにご理解頂くために、温泉旅館のチェックイン時の例をご紹介します。日本の温泉旅館の多くは、旅先の疲れを癒してもらうために、チェックイン時に部屋の案内の前にロビーでお茶やお菓子を提供してもてなします。このおもてなしの行為が、チェックインをなるべく早く済ませ、直ぐにでも観光しに外出することに慣れている外国人観光客にとって、無理やり休憩させられて迷惑と解釈される可能性があるのです。

推測せずにまずは、聞く。これ鉄則。

日本では、ゲストのニーズを言われる前に先読みすることが、良いホスピタリティ、つまりおもてなしの行為とみなされます。一方で、海外からのお客様の多くは、ニーズを聞かれることを基本的に期待しています。ゲストを受けれいる側が、日本人の物差しで考えた結果、意図に反してゲストに不愉快な思いをさせてしまったり、「アメリカ人は….だから」という根拠のない推測をベースに、日本人には普段しない行為をすると、日本に長く住む外国人や、日本流のおもてなしを期待する観光客をがっかりさせることになります。こういった状況を避けるためには答えを勝手に推測せずに、まずはお客様に聞く。これが鉄則です。異文化に暗黙の了解を求めるのは危険です。

日英ウェブメディア「おもてなし迷惑-Omotenashi Gap-」とは

「おもてなし迷惑- Omotenashi Gap」は日本在住15年以上の日本に対してロイヤリティが高い米国出身ライターを中心とする在留外国人ライターグループが、日本人とは違う視点で、「日本のおもてなしと外国人が求めるサービスとの差(ギャップ)」に関する情報を発信する日英Webメディアです。

悪気のない迷惑行為であるおもてなし迷惑には、そのアイロニー(皮肉)が本来持つユーモアが存在しています。そこには、悲しいけど、少し笑ってしまうようなシュールな要素があり、その部分を、漫画やブログという媒体を通じてお伝えしていきます。そして、おもてなし迷惑予備軍の方には明日からすぐにでも使えるような役に立つ情報を、訪日経験者やこれから日本への旅行を楽しみにしている外国人観光客にとって、「おもてなし迷惑」が本来は日本人の愛情こもった心遣いであるという真実をお伝えできればと思い日英のメディアになっています。

本メディアが、異文化間にある尊重されるべき根本的な違いへの理解を深め、文化の違いがもたらす避けられない誤解や皮肉をユーモアに変えれるような多様性を重んずる社会に少しでも貢献できますことがこの上ない喜びです。

おもてなし迷惑チーム一同、これまで蓄積してきたネタを振り絞り、エンターテイメント性があり、役に立つ情報を発信できるよう頑張ります。

おもてなし迷惑運営会社 グラスチャイルド コンサルティング代表取締役 長野 草児

 

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